昔、部活の同期と飲み会の帰りに話したことをずっと覚えている。
彼は「努力できることも才能の1つ」と主張した。
なぜそんな話になったのか、俺がどう答えたのかも忘れたが、俺の意見はずっと真逆だった。
「努力できることは才能ではない」
理由は単純。
「もし、努力しなければ死ぬ状況になれば、誰でも努力できるから」である。
ちょうどそのころ、死ぬために無茶な努力を続けていたから、
そうとしか思えなかった。
しかし過労で体を壊してから、これが間違いだと気付いた。
気力が完全にない。集中できない。常に息苦しい。
何時間、何日机に座ってパソコンに向かっても、何も進めることができない。
あらゆる方法を試しても無理だった。
前述の例でいえば、「たとえ、努力しなければ死ぬ状況でも、努力できない」状態。
今でも信じられない。
体力と努力だけで生きてきた、これまでの経験がすべてひっくり返るような状況。
だが、実際そうなのだから仕方ない。
俺の場合は極端から極端に振れたが、どうあれ「努力できない」状態になったわけだから、
生来、そのような状態である人もいるはずである。
だから、努力できることは才能である。