この記事では、研究室のRedmineの、チケットを使った物品管理システムを紹介します。共有パソコンの貸し出し記録やプリンタのトラブル対応の記録などをRedmineのチケットを用いて行っています。これは研究室でRedmineを使い始めた理由の一つでもあり、現在研究室のRedmineでは、チケットを作業記録よりも物品管理に使う機会の方が多い状態です。
共有パソコンの管理ページ紹介
チケットによる物品管理の例として、共有パソコンの管理ページを紹介します。
私たちの研究室には、動画編集などに使えるデスクトップパソコンや、学会発表などに使えるノートパソコンがあります。これらを円滑に使えるように、長期間使用する場合は利用者が記録・連絡を行うようにしています。現在はこの共有パソコンの管理をRedmineで行っています。
共有パソコンのチケット
一台のパソコンに1つのチケットを割り当て、各種情報を書き込んで管理しています。チケットの「題名」には、各パソコンに付けた名前を書いています。
共有パソコンを使いたい人は、下図のようにチケットに情報を登録します。Redmineからメール通知が送られるため、自分で借用連絡メールを送る必要がありません。
チケットの「説明」には、パソコンの外観画像、スペック、インストールされているソフトなどを書き込んでいます。チケットの「履歴」には、貸し出し記録やソフトウェアのインストール履歴などの管理記録が保存されています。
トラッカーの設定
共有パソコンのチケットのトラッカーは「パソコン / Computer」という名前で、下記項目を設定しています。
- 標準フィールド
- カテゴリ
- 開始日
- 期日
- カスタムフィールド
- 管理者 / Admin.
- 利用者 / User
- OS / Operating System
- プロセッサ / Processor
- メモリ / Memory
- ストレージ / Hard drive
- 備考 / Note
チケットのステータスは、下記の通りです。
- 新規 / New
- 利用可 / Available
- 利用不可 / Unavailable
- 使用中 / Now in use
- 廃棄 / Disposed
チケットの一覧ページ
チケットの一覧ページでは、表のタイトル行をクリックすることでソートできます。また「フィルタ」機能で絞り込むこともできます(下図)。
カスタムクエリ
カスタムクエリ(フィルタやオプション設定を保存したもの)は、下図の6種類を設定しています。
その他
チケットに紐づけたパソコンに、テプラなどでチケット番号を貼り付けておけば、Redmineの右上の検索ボックスから簡単にそのチケットを開くことができます。
「Redmine People plugin」というプラグインを導入しているので、チケットの左上にチケット作成者のアイコンが表示されています。物品管理にチケットを使うと、チケット作成者の(私の)アイコンがいつまでも表示されてしまうので、「Simple Author Change plugin」を使ってチケット作成者をダミーのユーザーに変えています。
その他の物品の管理
プリンタの管理チケット
プリンタを管理するために、チケットに各種情報を記録しています。
チケットの「説明」には下記情報を記載しています。
- 使用方法
- プリンタを使うためのパソコンの設定方法を書いたWikiページへのリンク
- プリンタの説明書のpdfファイル
- 消耗品について
- 用紙などの注文方法
- トラブル対応方法
- 関連情報
- 保証期間
- カスタマーサービスの連絡先
プリンタに関してトラブルが起きたときは、子チケットに対応状況を記録するようにしています。これにより、同じトラブルが起きたときに簡単に解決できるようになっています。
しかし、この方法は失敗でした。下記の理由により、使う際に混乱が生じています。
- プリンタ管理用のプロジェクトに「オフィス機器」と「作業」の2種類のトラッカーがあるため、間違うことがある。
- トラブル対応のチケットのトラッカーが「オフィス機器」になっていたりする。
- 親チケットの優先度が子チケットの設定に影響される。
- プリンタのチケットのステータスが「利用可」なのに優先度が「急いで」になっていたりする。
- チケットの優先度を非表示にしたいですね。
- ※Redmine 3.1からは連動させない設定にできるそうです。
他の管理方法との比較
Redmine導入以前は、共有パソコンはWikiの表を使って管理していました。また、幾つかの物品はExcelに記録しファイルサーバで共有していました。
Wikiの表で管理した場合
以前の研究室ではHikiというシステムを利用したWikiを稼働しており、Wikiページで共有パソコンの貸し出し記録を取っていました。利用者は共有パソコンの一覧ページ(下図)と詳細ページから使えるものを選び、Wikiページの表を編集して自分の名前を書き込んでいました。
ただし、Wikiの表の編集ページは下図のように、非常に編集しづらいものでした。
また、Wikiページの表示ではソートや絞り込みを行うことができません。さらに、メール通知機能がなかったため、物品の借用連絡を自分で行わなければいけません。
Excelで管理した場合
幾つかの物品はExcelで管理していました(今思えば共有パソコンも、WikiよりもExcelの方が管理しやすかったかもしれません)。
しかし、書き忘れや書き間違いが頻発し、最終的に管理が破たんしていました。
リンク
参考資料
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おわりに
チケットべんりー