熱帯魚を飼うときに使う「キスゴム」と呼ばれる吸盤が、よく劣化して外れてしまって困るので、磁石式のものを作ってみました。
※ 参考にする場合は自己責任でお願いします。
※ 説明書に「磁石に近づけないこと」等の注意書きがある機器に近づけて使用してはいけません
はじめに
熱帯魚を飼っていると、フィルターのパイプ、エアチューブ、ヒーターなどを固定するために「キスゴム」と呼ばれる吸盤をよく使います。
- 出版社/メーカー: charm(チャーム)
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エーハイム クリップ付吸着盤 φ12/16(2ヶ入) (4014100)
- 出版社/メーカー: エーハイム
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このキスゴムは消耗品で、定期的に交換する必要があります。キスゴムは常に水に触れていて徐々に硬化してしまい、吸着力が落ちて外れてしまいます。
キスゴムはとても安価ですし交換もそれほど頻繁に必要なわけではないですが、やっぱりめんどくさいので、磁石などを使うことで劣化しない(正しくはキスゴムと比べて劣化しにくい)ものを作ってみました。
動画
磁石式キスゴム、試作品1
磁石をそのまま水槽に入れるのはちょっと怖いので、水槽用シリコンでコーティングすることにしました。
使っていなかったシャワーパイプを切断してカバーにしています。水槽外側の磁石は外しやすいようにビニールテープを巻いています。磁石はちょっと吸着力が弱かったので2個ずつ使っています。
材料
試作品1の材料は下記の通りです。
- ベース部分
- 磁石(直径10mm、厚さ2mm、Amazon、http://amzn.to/2bathUw)
- シリコン(水槽用、Amazon、http://amzn.to/2b2R9Lv)
- パイプ(内径11mm、外径13mm、入手先不明)
- 接続部分
- へたったキスゴム(入手先不明)
- その他
- クッキングシート(スーパーなど)
- ビニールテープ(ホームセンターなど)
シリコンは必ず水槽用のものを使用します。水槽用以外のものには防カビ剤が入っていて、魚が死ぬ可能性があるそうです。
パイプについては、磁石が入るサイズであれば塩ビパイプやアクリルパイプなどでもいいと思います。ただし透明のほうが作りやすいです。
接続部分のキスゴムについては、固定したいものによって変更します。
クッキングシートは、シリコンが接着しない平らなものであれば大丈夫です。ペットボトルのキャップでも大丈夫でした。
ビニールテープは破損防止などのために水槽外側の磁石に巻く用ですが、なくてもいいかもしれません。
作り方
- パイプを適当な長さに切断する
カッターや糸ノコなどを使って、長さ10mmぐらいに切断します。
- やすりでパイプの断面を平らにする
見た目が気にならなければ、やらなくてもOKです。
- よく洗い、乾燥させる
- パイプをクッキングシートの上に置き、シリコンと磁石を入れる
磁石は位置が下から数mmになるように、つまようじなどでつついて調整します。
- パイプに入るように根元を切断したキスゴムを入れ、シリコンを追加して形を整える
- 数日間放置して硬化させる
- クッキングシートを剥がす
- 何度も水につけてシリコンのアク抜きをする
磁石式キスゴム、試作品2
試作品1では吸着力が弱めだったので20mmの磁石を使って作ってみました。
ちょうどいいサイズのパイプがなかったので、ペットボトルのキャップを使っています。見た目はちょっとアレですが、パイプを使うより作るのが簡単で壊れにくそうです。
シリコンはペットボトルのキャップに接着しないので完全には密封されませんが、ペットボトルの内側に凹凸があるので分離してしまうことはないと思います。
材料
試作品1の材料は下記の通りです。
- ベース部分
- 磁石(直径20mm、厚さ2mm、Amazon、http://amzn.to/2aIdujd)
- シリコン(水槽用、Amazon、http://amzn.to/2b2R9Lv)
- ペットボトルのキャップ(コンビニなど)
- 接続部分
- シャワーパイプ用のクリップ(入手先不明)
- その他
- ビニールテープ(ホームセンターなど)
ペットボトルのキャップは、内部のでっぱり部分の直径が磁石より大きいもののほうがいいです。今回はコカ・コーラ ゼロのキャップを使いました。
シリコンは必ず水槽用のものを使用します。水槽用以外のものには防カビ剤が入っていて、魚が死ぬ可能性があるそうです。
接続部分のクリップについては、固定したいものによって変更します。
ビニールテープは破損防止などのために水槽外側の磁石に巻く用ですが、なくてもいいかもしれません。
作り方
- キャップを切断して高さを下げる
そのままだと高さがありすぎるので、ハサミなどで10mmくらいまで削ります。水槽内でかさばるのが気にならなければそのままでもいいと思います。
- やすりでキャップの断面を平らにする
見た目が気にならなければ、やらなくてもOKです。
- よく洗い、乾燥させる
- 磁石を入れ、シリコンをかぶせる
- パイプ用クリップを入れ、シリコンをかぶせて形を整える
- 数日間放置して硬化させる
- 何度も水につけてシリコンのアク抜きをする
使ってみた様子
予備水槽でテスト
念のため予備水槽で数週間テストしてみました。メダカたちに協力してもらいました。
特に磁力でオートヒータのセンサが狂ってしまうのではないかと心配していましたが、今のところは問題なさそうです。
※ 他の製品の場合や長期間使った場合には問題が発生する可能性があります。ヒータの誤作動は重大な事故につながるため、くれぐれもご注意ください。
ということで、本番水槽のキスゴムを磁石式キスゴムに変更しました(本番水槽はお見せできるようなものじゃないので、写真は省略です)。
○ヶ月後の様子
(追記予定)
関連商品など
磁石を使ったキスゴムの商品やアイデアについて、簡単にググって調べてみました。
MagClip(ZooMed)
まさに磁石式のキスゴムが、ZooMedというメーカーから発売されています。
Zoo Med Labs Magclip Magnetic Suction Cups Industrial Strength Interchangeable
- 出版社/メーカー: Zoo Med Laboratories, Inc.*
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日本では発売されていないこともあって送料もかかるので、キスゴム一個にこの値段はちょっと高すぎて手が出ないです。
過去には日本のアクアショップでも取り扱われていたみたいですね。
Foresta(B-BOX aquarium)
Forestaという水槽内に霧を発生させる商品のパーツが磁石で固定するタイプのようです。
Foresta (フォレスタ) オートマティックミスティングシステム
このパーツ単体でも販売されています。外見はMagClipとよく似ていますが、もともと水槽上部に固定するためのものなので水中で使えるかどうかはわかりません。
マグチェンジ(タイムストップ)
劣化したキスゴムに磁石を固定して使うタイプの商品もあるみたいです。
- 出版社/メーカー: タイムストップ
- メディア: その他
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マグテンプ(水作)
水温計をキスゴムの代わりに磁石で取り付ける商品です。
- 出版社/メーカー: 水作
- メディア: その他
- 購入: 1人 クリック: 1回
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CLEANER MAG(Vertex)
磁石で挟んだ状態で擦ることで水槽内を掃除する「マグネットクリーナー」は昔から販売されていますが、最近はおしゃれな外観のものも売られているんですね。値段は高いですけど。
ブログ
磁石をそのまま使ってる方がいました。
テトラスポンジフィルターのキスゴムをマグネットに変更テスト。 フラスコ熱帯魚研究所/ウェブリブログ
テトラスポンジフィルターをマグネットで固定する方法(追加情報)。 フラスコ熱帯魚研究所/ウェブリブログ
磁石製ではないですが、ヒータを支えて固定する方法を試している方がいました。磁力でヒータが誤作動する危険がないので、こちらのほうがいいかもしれません。
charmSNS|アクアリウム 熱帯魚 ガーデニング ペットと癒しのコミュニティ
掲示板など
「キスゴムの代わりに磁石を使っても大丈夫ですか?」→「生体のためにキスゴムを交換したほうが安全です」
水槽の中につけるキスゴムがつかなくなるので、マグネットをボンド... - Yahoo!知恵袋
「キスゴムが劣化して外れてしまうんだけど、何かいい方法ないかな?磁石とかどうだろう?」→「予備を買っといて交換しろ」「接着剤で水槽にくっつけちゃえば?」
alternative to using suction cups? (glass high filters) – Mombu
おわりに
長期的に何か問題が出てくるかもしれないので、しばらくしたら追記します。
……忘れなければ (;・∀・)