SolidWorksで作成したCADの図を、論文などに挿入するためにベクタ形式のままEPSファイルへ変換する方法を説明します。
ここで紹介する方法は最新のバージョンのソフトウェアでは使えません。色々と試しましたが代替方法が見つかっていません。もし別の方法があれば教えていただけると助かります。
※CADデータのクレジット:Ray Keane (2011)
はじめに
画像は、小さい点の集まりで表現された「ラスタ形式」と、折れ線や曲線の集まりで表現された「ベクタ形式」のものがあります。
ラスタ形式の画像を拡大するとぼやけてしまうのに対し、ベクタ形式であれば拡大してもきれいに表示されます(下図)。
このため図形・グラフや文字が入った図などはベクタ形式で論文に挿入するべきです。
この記事ではSolidWorks(CADソフト)で作成した図面から、EPSというフォーマットのベクタ形式画像を作成する方法を紹介します。
EPSファイルに変換する方法
以下の手順で、SolidWorksの図をEPSファイルへ変換することができます。
- CADファイルから図面を作成し、DWG形式で保存する
- DraftSight(CADソフト)でDWGファイルを開き、線情報をコピーする
- 線情報をPowerPointに貼り付ける
- PowerPointでEPSファイルを出力する
途中でPowerPointの図形情報に変換するため、線の太さや色を自由に編集することができます。ただし、この方法では図の色情報は保存されず、輪郭だけになります。またDraftSightというフリーの2DCADソフトのインストールが必要です。
以下のバージョンで確認しました。
- SolidWorks 2015
- DraftSight 2014
- PowerPoint 2013
しかし以下のバージョンでは、PowerPointへのコピペがうまくいきませんでした。前述のとおり、別の方法があれば教えていただけると助かります。
- DraftSight 2016
図面をDWG形式で保存
- SolidWorksで図面を新規作成する
- 図面にCADファイルを配置し、図の向きを修正する
※必要であれば複数の図を配置します(あとで別々の図に出力可能です)
- 「ファイル」メニューから「指定保存」を選択し、「ファイルの種類」をDwgとして保存する
※後から修整可能なようにSolidWorksの図面も保存しておいた方がいいです
DraftSightを利用して線情報をコピー
- DraftSightを起動し、保存したDwgファイルを開く
- 以下の手順で,任意の図を選択する
- 図の左下をクリック
- 図の右上をクリック
- マウススクロールで、できるだけ拡大する(全体を表示した状態だと、変換後の曲線がガタガタになります)
- 「編集」メニューの「コピー」を選択、または「Ctrl」+「C」キーを押す
線情報をPowerPointに貼り付け
- PowerPointを起動し、「ホーム」タブの「貼り付けのオプション」から「図」を選択する
- 大きいサイズで貼り付けられるため、サイズを調整する
- この状態では、一部だけ(DraftSightで拡大したときに表示されていた部分だけ)が表示されます
- この状態では、一部だけ(DraftSightで拡大したときに表示されていた部分だけ)が表示されます
- 右クリックメニューの「グループ化」の「グループ化解除」を選択し、出現したウィンドウで「はい」ボタンをクリックする
- 図がPowerPointの図形に変換されるので、必要に応じて以下の調整を行う
- サイズを調整
- 線の太さ、色および種類を変更する
- 不必要な線を削除する
- 文字などを追加
※もし張り付けた図の縦横比がおかしい場合は、DraftSightで図を囲む正方形を作図し、それごとコピペした後にサイズを調整するといいと思います。
PowerPointによりEPSファイルを出力
下記ページなどを参照ください。
- Windows 10、PowerPoint2016
- Windows Vista
おわりに
SolidWorksの図面はPDF形式やAI形式で保存することができるので、Illustratorが使えれば実現できそうですが…
そのうちIllustratorを購入して勉強します。