私たちの研究室(機械系)での Slack の利用状況を紹介します。
始めに言っておきますが、研究室の Slack は、ほとんど廃墟と化しています。Slack を布教しようとして失敗した情報はネットで見たことがなく、少ない事例として紹介する意味はあるかと思うので、公開します。
はじめに
私たちの研究室では、2015年4月から Slack の利用を始めました。
説明は必要ないかもしれませんが、Slack とは近年 IT業界で流行しているチャットサービスで、洗練された使いやすいインターフェースと豊富な外部サービスとの連携が特徴です。
導入の経緯
Slack を研究室に導入した理由は、意思疎通の効率化、集中しやすい環境の構築により、より研究を進めるためです。
- 意思疎通の効率化
- 非同期の打ち合わせの実現
- ゆるいコミュニケーションが可能
- 集中しやすい環境の構築
- 無駄な移動、会話、メールの削減
意思疎通の効率化
研究室の Redmine(詳しくはこちらの記事参照)の管理について他の管理者と相談したいと思ったときに、なかなか予定が合わないということがありました(悪いのは昼夜逆転していた私なんですけどね)。
そこで、いちいち集まらなくても相談できるように、いろいろと方法を検討した(Redmine のチャットプラグインや GitLab の Wall、ChatWork などなど)結果、Slack の利用を始めました。
集中しやすい環境の構築
私たちの研究室は、居室の広さに対して人数が多いことが問題となっています。机の椅子と後ろの棚の間の幅が小さく、人が後ろを通るためには、座っている人が毎回椅子を引く必要がありました。このため、移動のたびに集中が阻害されていました。
また、私たちの研究室はオープンオフィス(仕切りのない環境)であり、下記ページのように生産性が低下することが指摘されています。
そこで、無駄な移動や雑談の騒音を減らして、少しでも集中できる環境を作るために、Slack のテスト運用を開始しました。
研究室の Slack の紹介
利用状況
前述のとおり、研究室の Slack の利用状況は低く、ほぼ廃墟と化しています。
書き込んでいるのは私が所属している研究グループのメンバーのみ。後述の物品借用連絡のために、ぽつぽつ使われる程度です。
正直、少し紹介すれば、後は自然に広がるかと考えていたので、完全に誤算でした。
なぜ布教に失敗したかといえば、「それほど熱心に布教しなかったこと」と「ボトムアップで広めようとしたこと」ではないかと思っています。
一応、Slack の使い方講習会を行ったり、使い方を研究室の Redmine にまとめておいたりはしたんですけどね。
なお、私が所属している研究プロジェクトのメンバーは、進捗共有のために頻繁に Slack に書き込んでいます。研究プロジェクトが共同研究で、メンバーが普段別の建物にいるので、Slack を使うメリットが大きいです。
管理方法
Slack 導入前に Redmine と GitLab の導入を行っており、管理者の仕事を増やしてしまっていたので、Slack のアカウント作成は利用者が行う設定にしています。
「Settings」の「Team Sign Up Mode」の欄に、研究室のメールアドレスの@以下を書き込んでおくことで、研究室のメールアドレスが設定されているメンバーは自分でアカウントを作成することができます。
共同研究先の人など、研究室のメールアドレスが作られていない場合は、管理者が招待する必要があります。
他には、卒業した人のアカウントを「Team Members」から「Disabled」にするだけです。
自分でサーバーを立てて管理するような場合に比べて、管理コストが非常に低いですね。
チャンネル
研究室の Slack に作成されている主なチャンネル(Slack のスレッドのこと)は下記のとおりです。
- admin_file-server
- admin_network
- admin_web
- 各管理者が相談したり、作業連絡をするチャンネルです。
- Redmine に情報を残すまでもないことは、Slack で済ませてしまっています。
- rt-redmine
- rt-gitlab
- 研究室の Redmine と GitLab の更新情報が投稿されるチャンネルです。
- SlackとRedmineを連携し、登録したチケットの更新を通知する方法 | 株式会社LIG
- robotic-news
- 研究関連のニュースを投稿して共有するチャンネルです。
- lending
- 物品貸し出し連絡を行うチャンネルです。
- 詳しくは後述
- プロジェクト名_名前
- 研究プロジェクトごとの、分報用のチャンネルです。
- Slackで簡単に「日報」ならぬ「分報」をチームで実現する3ステップ 〜 Problemが10分で解決するチャットを作ろう
URL を書き込むとページの概要を表示してくれる機能が便利ですね。
各種工夫
Slack を使う習慣づけをしたり、より使いやすくするために、いろいろと工夫をしています。
Slackbot のねぎらい
「ねむい」「しんどい」など、あらゆるネガティブワードに反応して Slackbot(Slack のアシストシステム)がねぎらってくれます。
これで、ちょっとだけ頑張れる!
Slackbotのおみくじ
「おみくじ」「うらない」などに反応して、Slackbot がうらなってくれます。
これがあると、毎日書き込みたくなります。
Slackbotの名言集
「名言」に反応して、Slackbot が名言を教えてくれます。
名言だけじゃなくて、名台詞も混ざっていますが。
IFTTT で「進捗どうですか」
分報用のチャンネルに進捗を書いてもらえるように、一時期 IFTTT(連携サービス)を使って定時に「進捗どうですか」を投稿していました。
先生やメンバーが「進捗どうですか」と書くと、プレッシャーを感じて Slack を見なくなるかもと思うので、IFTTT にヘイトをかぶってもらう作戦です。
煽っても大丈夫!
IFTTT で天気予報
IFTTT のレシピを使って雨の予定の時に教えてくれるようにしています。地味に便利。
物品貸し出し連絡を行うチャンネル
少しでも利用者を増やすため、実験機器などの貸し出しを連絡するチャンネルを作っています。
以前はメールで連絡していましたが、貸し出し情報はその機器を使う人だけが知れれば良く(プル型情報配信のほうがいい)、またあとに残す必要のない情報(フロー情報)なので、Slack で連絡するほうがいいはずです。
参考資料
- Slackの活用について
- Slackで分報
- SlackのBotについて
- Slackの導入について
- チャットについて
おわりに
失敗例だけでは何なので、布教に成功した共同研究先の研究室(情報系)の Slack を、そのうち紹介します。
記事を書きました⇒研究室(情報系)のSlackの紹介 - kengo700のブログ