初心者に教えることの難しさと、英語ができない人の気持ちを体験してみる方法について。
はじめに
そろそろブログの「言及」なるものをしてみたいと思っているところに、大きな釣り針が投下されていました。
簡単にまとめると、「低学歴ブロガーたちは、自分がつまずいてきた部分を記事にすれば、高学歴ブロガーに勝てるかもしれないよ」という内容でしょうか。
ただ、私がここで話したいのは「低学歴・高学歴」云々ではなくて、「いかにして初心者にわかりやすく教えるか」「初心者の気持ちになるにはどうすればいいか」についてです。
すでに「理解した・慣れた」ことを、まだ「理解できない・慣れていない」人に説明するのは、ものすごく難しいように思うのです。それが基本的であるか応用的であるかに関わらず、です。
うまく教えるには、「低学歴・高学歴」に関係なく、教える技術と教えた経験が必要です。
教える難しさ
例えば、車を何十年も運転している人が初心者に運転の仕方を教えようとする場面を想像してみましょう。
上級者「…もしマニュアルなら、ブレーキを踏んだままエンジンをかけてギアをドライブに…」
初心者「(マニュアルって説明書? ブレーキはわかるけど、エンジンってなんだっけ? ギア?? ドライブ???)」
例えば、Git(バージョン管理システム)を使い慣れている人が初心者に教えようとする場面では、
上級者「…ファイルをステージングしてローカルリポジトリにコミット、そのあとリモートリポジトリにプッシュして…」
初心者「(何言ってんだこいつ。ぶん殴ってやろうか)」
少し誇張していますけれど、あり得る展開ではないでしょうか。
初心者の気持ちを体験してみる
しかし、こと自然言語(英語や日本語などのこと)に関しては、上級者が初心者の気持ちを体験するのは簡単です。ある言語について上級者な人でも、他の多くの言語については初心者だからです。
具体的な例として、英語ができない人の気持ちをSlack(チャットサービス)のインターフェースを使って体験してみましょう。
英語の習熟度とWebサービス
SlackはIT業界で爆発的に広まっているチャットサービスです。簡単に言えばビジネス用のLINEです。
このSlackは非常に使いやすいのですが、日本語には対応していません(2016年2月現在)。おそらく英語以外には対応していません。
「少しとっつきにくいけど、すぐ慣れるよ!」と、よく言われますが、この「とっつきにくさ」は英語の習熟度によって全く変わるはずです。
そこでSlackの言語表示を変えてみて、どんな印象を受けるか試してみましょう。
オリジナルの表記
Slackに登録してログインすると、下図のようなチュートリアルが表示されます。
※「Slackbot」というのはSlackのアシストシステムです。
また下図は投稿したメッセージの編集メニューで、それなりによく使います。
英語を勉強している人なら大体意味はわかると思いますが、英語ができない人だったらどう感じるのでしょうか。
英単語がわからない人だったら
「アルファベットはわかるけど、英単語はほとんど覚えていない」という人がSlackを始めたら、どのように感じるでしょうか。
アルファベットだけど単語が違う、イタリア語に変えてみましょう(Google翻訳)。
これは、、、どんなに便利なサービスであっても使うのに躊躇しそうですね。
アルファベットがわからない人だったら
「アルファベットも読めない」という人がSlackを始めたら、どう感じるでしょうか。
文字が違うヒンディー語に変えてみました(Google翻訳)。
そっ閉じ不可避。このサービスは使えない、と言ってしまっていいでしょう。
単語をググるところからして大変です。そもそも、この文字をどう入力すればいいのかわからない。
※しかしよく考えると、日本語を知らない人が漢字仮名交じりの日本語を見たときは、これより意味不明なんですよね。
日本語化されていたら
比較として日本語化してみました。
ガンバリマスロボ
確かに使いやすそうですね。
余談:英語の習熟度とゲーム
今回は英語の習熟度とWebサービスを例としてあげましたが、同じようなことは海外のゲームにも言えます。
趣旨は違うのですが、以前読んだ下記の記事が印象的だったので、ここで紹介します。
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おわりに
初心忘るべからず(無理)
Slack、日本語対応しませんかねー。