この記事では、研究室にRedmineを導入するメリットを具体例を使って説明します。
以前、研究室にRedmineを導入・布教するときに使ったパワポの資料をもとに書いています。
※アイキャッチ画像のクレジット:Martin Herr (2009) / CC BY-SA 2.5
はじめに
この記事では、Redmineの基本的な用語などについては説明しません。
Redmineについて詳しくない方は、先に下記記事をご覧ください。
Redmineを運用するメリット
Redmineを使うと何がいいのかについて、具体例を使って説明します。
例1:トラブル対応の効率化
<Redmineがない場合>
研究室で稼働しているサーバや他の機器などにトラブルが生じた場合、Redmineを導入する以前、私たちの研究室では下図のように対応していました。
この方法では、下記のような問題があります。
[問題点の図(クリックで表示)]
- 口頭・メールでやり取りされるため、後から流れを追えない
- メールボックスに情報が死蔵される
- 他のメンバーが作業状況を把握できず、手伝うことができない
- 報告書は、
- 忙しくて書かれない
- 書かれたとしても、必要な情報が書かれない
- 後から探しにくい
- これらの結果、この作業をできる人が限られてしまう
- 作業ノウハウの属人化
- 作業量の偏り
<Redmineがある場合>
トラブル対応にRedmineを利用すると、下図のように改善されます。
この方法では、下記のようなメリットがあります。
[メリットの図(クリックで表示)]
- チケットがそのまま作業報告書になる
- 名前や時刻は自動的に記録される
- 図やファイルを添付できる
- 後から検索可能
- 同じトラブルに対して、記録を見れば誰でも対処できる
- 作業ノウハウの属人化および作業量の偏りを防ぐ
- 他のメンバーがチケットを閲覧し、作業状況を確認し手伝うことができる
- 見える化
- 業務連絡メールが自動的に送られる
例2:物品管理の効率化
<Redmineがない場合>
研究室での物品管理について、Redmineを導入する以前、私たちの研究室ではWikiページに共有パソコンの貸し出し履歴などを記録していました(下図)。
この方法では、下記のような問題があります。
[問題点の図(クリックで表示)]
- Wikiの表は編集しにくい
- 結果として書かれないこともあった
<Redmineがある場合>
物品管理にRedmineを利用すると、下図のように改善されます。
この方法では、下記のようなメリットがあります。
[メリットの図(クリックで表示)]
- 履歴が残る
- トレーサビリティ(追跡可能性)
- チケットはWikiに比べて編集しやすい
- 日付をカレンダーから選択できる
- 名前をユーザーリストから選択できる
- チケットは探しやすい
- 検索、ソート、絞り込みを行うことができる
- 業務連絡メールが自動的に送られる
例3:研究の効率化
<Redmineがない場合>
Redmineを導入する以前は、私は研究の資料は下図のように残していました。
この方法では、下記のような問題があります。
[問題点の図(クリックで表示)]
- 後から情報を探しにくい
- 細かい作業状況は残らない
- 引き継ぎ資料をまとめるのが大変
<Redmineがある場合>
RedmineとGitLab(別の記事で紹介予定)を利用すると、下図のように改善されます。
この方法では、下記のようなメリットがあります。
[メリットの図(クリックで表示)]
- チケットに関連情報をまとめられる
- 図やファイルを添付可能
- 後から検索可能
- 日付などは自動的に記載される
- 作業記録がそのまま引き継ぎ資料となる
- 「作業に要した時間」や「途中の経緯」などの重要な情報が残る
- 複数人での作業において、役割分担、進捗、期限などを共有できる
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おわりに
RedmineもGitも、効果は使い方次第かつ蓄積された情報にこそ価値があるため、導入が難しいのかもしれません。